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選出基準説明

本ページは、ARTISAN CHEESE AWARDS(ACA)における顕彰対象の考え方と、選出の基本方針を説明するための公式ページです。

ACAは、点数順位を競う相対評価型のコンクールではなく、ICESに基づく品質評価を土台に、日本のチーズ製造文化を社会へ伝える文化顕彰制度です。

そのため、本ページでは、なぜ単純な点数順ではなく、品質水準、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性を総合的に見て顕彰対象を選出するのかを説明します。

公示用要約
ARTISAN CHEESE AWARDS(ACA)は、相対順位によって選出するコンクールではなく、日本のチーズ製造文化を顕彰する制度です。
すべての出品チーズは、International Cheese Evaluation Standard(ICES)に基づき絶対評価されます。その結果、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズを候補母集団とし、その中から、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性、ならびに当該年度における日本チーズ製造文化の象徴性を総合的に考慮して、ACA顕彰対象を選出します。
ACA顕彰対象数は、年度ごとの出品状況、評価水準、カテゴリー構成、地域的多様性、式典運営上の適正規模を踏まえ、顕彰制度としての希少性と国際的説明可能性を保つため、おおむね15品から20品程度を目安とします。なお、この目安は、相対評価による順位選抜を意味するものではありません。
最終的なCHAMPIONは、ACA顕彰対象の中から、その年度の日本チーズ製造文化を最も象徴する1件として選出します。


主要用語

  • ACA :ARTISAN CHEESE AWARDS。日本チーズ製造文化顕彰として、品質到達を土台に、日本のチーズ製造文化を象徴する対象を顕彰する制度。

  • ICESInternational Cheese Evaluation Standard。チーズの品質を絶対評価として確認するための評価基準。

  • JCQM:Japan Cheese Quality Mark。ICESに基づき、一定の品質水準に到達したチーズを示す品質到達基準。

  • CHAMPIONACA顕彰対象の中から、その年度の日本チーズ製造文化を最も象徴する1件として選出される最高位顕彰。

1. 本説明書の目的
本説明書は、ARTISAN CHEESE AWARDS(以下「ACA」といいます)における顕彰対象の選出基準を明確に示し、選出過程における公平性、平等性、国際的説明可能性を確保することを目的とします。
ACAは、チーズの点数順位を競う相対評価型のコンクールではありません。ACAは、日本各地のチーズ製造に関わる工房、職人、地域、原料乳、製造技術、熟成、継続的な取り組みを含め、日本のチーズ製造文化を顕彰する制度です。
そのため、ACAにおける顕彰対象は、単に得点の高い順に選出するものではなく、ICESに基づく絶対評価を土台とし、一定の品質水準に到達したチーズの中から、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性を総合的に考慮して選出します。

2. ACAの基本的な位置づけ
ACAは、日本のチーズ製造文化を社会に伝え、国内外に向けてその価値を発信するための文化顕彰制度です。
本制度は、個々のチーズの品質を評価するだけでなく、そのチーズが生まれる背景にある以下の要素を重視します。
•    工房の製造姿勢
•    職人の技術と判断
•    原料乳と地域風土との関係
•    熟成や製法における継続的な努力
•    家族、地域、酪農、生産現場とのつながり
•    日本のチーズ文化として国内外に説明できる価値
ACAは、これらを総合的に捉え、その年度における日本チーズ製造文化を象徴する対象を顕彰します。

 

3. 選出における基本原則
 

3-1. 公平性|Fairness
公平性とは、すべての出品者および出品チーズが、同一の入口条件と同一の手続きにより扱われることを意味します。
ACAでは、すべての出品チーズをICESに基づいて絶対評価し、一定の品質水準に到達したものを候補母集団とします。その後、顕彰対象としての適格性を、あらかじめ定めた観点に基づき確認します。
これにより、個人的な関係性、知名度、販売規模、過去の受賞歴に左右されない選出を目指します。

 

3-2. 平等性|Equality
平等性とは、大規模工房、小規模工房、新しい工房、歴史ある工房が、それぞれ同じ制度上の扱いを受けることを意味します。
ACAでは、工房の規模や流通量のみをもって顕彰対象を判断しません。小規模であっても、地域性、職人性、製造文化上の意義が明確であり、その年度の日本チーズ製造文化を象徴するにふさわしい場合は、顕彰対象となり得ます。


3-3. 国際性|Internationality
国際性とは、国内だけでなく、海外の審査員、行政機関、教育機関、文化機関、生産者、消費者に対しても理解可能な基準で説明できることを意味します。
そのため、ACAでは、ICESによる絶対評価、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質到達、文化顕彰としての選出理由、相対評価ではないことを明確にし、国内外に説明可能な制度運用を行います。

4. 顕彰対象選出の三層構造
 

ACA顕彰対象は、以下の三層に基づいて選出します。
層    基準名    概要
第1層    品質到達基準|Quality Eligibility    ICESによる絶対評価により、JCQM相当の品質水準到達を確認する。
第2層    顕彰適格基準|Cultural Recognition Eligibility    製造文化性、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性を確認する。
第3層    年度象徴基準|Annual Symbolic Recognition    当該年度の日本チーズ製造文化を象徴する対象として妥当かを確認する。

4-1. 第1層:品質到達基準|Quality Eligibility
すべての出品チーズは、International Cheese Evaluation Standard(ICES)に基づき絶対評価されます。
その結果、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズを、ACA顕彰対象の候補母集団とします。
本年度においては、20点満点中14点以上を、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準到達の目安とします。
ただし、ここでいう14点以上とは、顕彰対象となるための入口条件であり、順位を示すものではありません。また、14点以上に到達したすべてのチーズが、自動的にACA顕彰対象となるものでもありません。
この段階は、あくまでも品質水準への到達確認です。

 

4-2. 第2層:顕彰適格基準|Cultural Recognition Eligibility
JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズの中から、ACAの趣旨に照らし、文化顕彰としての適格性を確認します。確認する主な観点は、以下のとおりです。
観点    内容
製造文化性    製法、熟成、原料乳、地域との関係に文化的背景があるか。
職人性    工房または製造者の技術、判断、継続的努力が見えるか。
地域性    その土地の風土、酪農、食文化、地域資源との関係があるか。
継続性    一時的な成果ではなく、今後の発展や持続性が見込めるか。
表現性    日本のチーズとしての個性、造形、味わい、香り、熟成、製法上の表現があるか。
説明可能性    国内外の来場者、審査員、行政機関、消費者に対して、顕彰理由を説明できるか。

この第2層は、点数の上下を比較するものではありません。品質水準を満たしたチーズの中から、文化顕彰としてふさわしい理由があるかを確認する段階です。

4-3. 第3層:年度象徴基準|Annual Symbolic Recognition
第1層および第2層を満たした候補の中から、その年度のACA顕彰対象としてふさわしいかを総合的に確認します。この段階では、以下の点を考慮します。
•    特定カテゴリーに過度な偏りがないか
•    地域的多様性が表現されているか
•    日本チーズ製造文化の現在地を示しているか
•    国内外に対して顕彰理由を明確に説明できるか
•    舞台上で顕彰する対象として妥当か
•    最終的なCHAMPION選出の母集団として適切か
ACA顕彰対象数は、年度ごとの出品状況、評価水準、カテゴリー構成、地域的多様性、式典運営上の適正規模を踏まえ、顕彰制度としての希少性と国際的説明可能性を保つため、おおむね15品から20品程度を目安とします。
なお、この数は、出品総数に対する機械的な比率や、得点上位何%という相対順位を意味するものではありません。あくまでも、文化顕彰制度として適切に運用するための目安です。

5. 顕彰対象数に関する考え方
ACA顕彰対象数をおおむね15品から20品程度とする理由は、以下のとおりです。
第一に、ACAは品質到達品をすべて表彰する制度ではなく、その年度の日本チーズ製造文化を象徴する対象を顕彰する制度であるためです。
第二に、顕彰対象が過度に多くなると、文化顕彰としての希少性と説明責任が弱くなるためです。
第三に、顕彰対象が少なすぎると、日本各地の地域性、製法、原料乳、熟成、工房文化の多様性を十分に表現できないためです。
第四に、舞台上での顕彰、記録、発信、国内外への説明において、15品から20品程度が制度上および運営上、適正な規模であるためです。
したがって、ACA顕彰対象数は、相対評価によって固定的に決定するものではなく、年度ごとの出品状況と文化顕彰としての説明可能性を踏まえて決定します。

 

6. CHAMPIONの選出
最終的なCHAMPIONは、ACA顕彰対象の中から、その年度の日本チーズ製造文化を最も象徴する1件として選出します。
CHAMPIONは、単なる最高得点品を意味するものではありません。
CHAMPIONは、品質、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性、国際的発信力を総合的に備え、その年度の日本チーズ製造文化を代表するものとして顕彰されます。

7. 相対評価ではないことの明記
ACA顕彰対象およびCHAMPIONは、出品チーズの得点順位のみをもって決定するものではありません。
ACAでは、まずICESによる絶対評価により、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズを確認します。その上で、文化顕彰としての適格性、年度を象徴する価値、説明可能性を総合的に検討します。
したがって、ACAは、順位を競うコンクールではなく、品質到達を土台とした日本チーズ製造文化の顕彰制度です。

8. 顕彰理由の記録
ACA顕彰対象として選出されたチーズについては、可能な限り、以下の観点から顕彰理由を記録します。
•    品質到達の確認
•    製造文化上の特徴
•    地域性
•    職人性
•    継続性
•    表現性
•    年度象徴性
•    国際的説明可能性
これにより、顕彰対象の選出理由を明文化し、関係者、出品者、行政機関、国内外の来場者に対して説明できる状態を整えます。

9. 利害関係および偏りの確認
ACA顕彰対象の選出にあたっては、制度の公平性を確保するため、以下の点に留意します。
•    特定の工房、地域、カテゴリーに過度な偏りがないか
•    知名度、販売規模、過去の受賞歴のみで判断していないか
•    審査・選出過程において説明困難な恣意性が生じていないか
•    顕彰理由が文書として説明可能か
•    国内外の第三者に対しても制度趣旨を説明できるか
これらを確認することで、ACAが公正かつ透明性のある文化顕彰制度として運用されることを目指します。

 

 

10. 国際的説明文
ACAの選出基準は、国際的には以下のように説明します。
ARTISAN CHEESE AWARDS does not select products by relative ranking. First, all cheeses are assessed by an absolute evaluation standard, ICES. Cheeses reaching the JCQM quality level become eligible for cultural recognition. From these eligible cheeses, ACA recognizes those that best express craftsmanship, regional identity, continuity, cultural background, and the symbolic value of Japanese artisan cheese production in that year.
日本語では、以下のとおりです。
ARTISAN CHEESE AWARDSは、相対順位によって選出する制度ではありません。まず、ICESに基づく絶対評価により、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズを確認します。その上で、製造文化、地域性、職人性、継続性、説明可能性を総合的に考慮し、その年度の日本チーズ製造文化を象徴する対象を顕彰します。

 

 

11. 最終方針
ACAは、ICESによる絶対評価で品質到達を確認し、その上でJCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズの中から、文化的象徴性、職人性、地域性、継続性、表現性、国際的説明可能性を備えた対象を顕彰する制度です。
ACA顕彰対象は、相対評価によって順位選抜されるものではありません。また、顕彰対象数は機械的な比率によって決定されるものでもありません。
ACAは、日本のチーズ製造文化を国内外に発信し、工房、職人、地域、酪農、製造技術、熟成文化の価値を社会に伝えるための文化顕彰制度として運用します。

附記:規程・公示への引用用文案
ARTISAN CHEESE AWARDSの顕彰対象は、相対順位または出品総数に対する機械的な比率によって決定するものではありません。
顕彰対象は、International Cheese Evaluation Standard(ICES)に基づく絶対評価により、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達したチーズの中から、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性、ならびに当該年度における日本チーズ製造文化の象徴性を総合的に考慮して選出します。
顕彰対象数は、年度ごとの出品状況、評価水準、カテゴリー構成、地域的多様性、式典運営上の適正規模を踏まえ、顕彰制度としての希少性と国際的な説明可能性を保つため、おおむね15品から20品程度を目安とします。なお、この目安は相対評価による順位選抜を意味するものではなく、顕彰制度として適切な規模を示すものです。
以上

 

上記、選出基準説明の顕彰基準に関する補足説明
― 工房様からの主なご質問への回答 ―

1. 本書面の目的
この書面は、ARTISAN CHEESE AWARDS|日本チーズ製造文化顕彰における顕彰対象の選出基準について、工房様から寄せられた主なご質問に対し、より分かりやすく補足説明するものです。
ARTISAN CHEESE AWARDSは、点数順位のみで受賞対象を決定する相対評価型のコンクールではありません。
本制度は、まずInternational Cheese Evaluation Standard(ICES)に基づく絶対評価により、一定の品質水準に到達していることを確認し、そのうえで、日本のチーズ製造文化を象徴する対象を顕彰する制度です。
したがって、ACAの顕彰対象は、単に「点数が高い順」に選ばれるものではなく、品質到達を土台としながら、製造文化、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性、年度を象徴する価値を総合的に確認して選出されます。

 

2. ACAは何を顕彰する制度なのか
ACAが顕彰するのは、単なる商品としてのチーズだけではありません。
そのチーズが生まれる背景にある、以下のような要素を含めて、日本のチーズ製造文化として顕彰します。
•    原料乳と地域風土との関係
•    工房の製造姿勢
•    職人の技術と判断
•    製法や熟成における継続的な努力
•    地域、酪農、生産現場とのつながり
•    日本のチーズとして国内外に説明できる価値
•    その年度の日本チーズ製造文化を象徴する意義
そのため、ACAは「最も点数が高いチーズを順位づけする制度」ではなく、「日本のチーズ製造文化として社会に伝えるべき価値を顕彰する制度」です。

3. なぜ得点順だけで決めないのですか
ACAは、品質評価を軽視しているわけではありません。
むしろ、最初の入口として、すべての出品チーズをICESに基づき絶対評価し、一定の品質水準に到達していることを確認しています。
ただし、ACAは文化顕彰制度であるため、品質到達後の段階では、点数の上下だけでは表しきれない価値も確認します。
•    地域との関係が明確であるか
•    製造者の技術や判断が表れているか
•    継続的な取り組みが見えるか
•    日本のチーズ文化として説明できるか
•    国内外の消費者や関係者に伝えるべき価値があるか
つまり、ACAでは「点数を無視している」のではなく、点数による品質到達を土台にしたうえで、文化顕彰としての妥当性を確認しています。

4. 第1層・第2層・第3層とは何ですか
ACAの顕彰対象は、三層構造により確認されます。
第1層:品質到達基準
すべての出品チーズについて、ICESに基づく絶対評価を行い、一定の品質水準に到達しているかを確認します。
本年度においては、20点満点中14点以上を、JCQM相当の品質水準到達の目安としています。
ただし、14点以上は顕彰対象となるための入口条件であり、14点以上に到達したすべてのチーズが自動的にACA顕彰対象となるわけではありません。
第2層:顕彰適格基準
品質水準に到達したチーズの中から、文化顕彰としてふさわしい理由があるかを確認します。
主な観点は、製造文化性、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性です。
この段階では、点数の上下を比較するのではなく、そのチーズが日本のチーズ製造文化として顕彰にふさわしいかを確認します。
第3層:年度象徴基準
第1層と第2層を満たした候補の中から、最終的にその年度のACA顕彰対象としてふさわしいかを確認します。
この段階では、顕彰対象全体が、その年度の日本チーズ製造文化を国内外に説明できる構成になっているかを確認します。

5. 「年度象徴基準」はどのように判断しているのですか
年度象徴基準は、点数を再計算する基準ではありません。
また、地域別やカテゴリー別に機械的な枠を設けるものでもありません。
年度象徴基準とは、最終的な顕彰対象全体を見たときに、次のような点を確認するものです。
•    特定カテゴリーに過度な偏りがないか
•    地域的多様性が表現されているか
•    日本チーズ製造文化の現在地を示しているか
•    国内外に対して顕彰理由を明確に説明できるか
•    舞台上で顕彰する対象として妥当か
•    CHAMPION選出の母集団として適切か
ここで大切なのは、年度象徴基準は「測る」ものではなく、「確認する」ものだという点です。
ACAは文化顕彰制度であるため、最終的な顕彰対象全体が、社会に対して説明可能な構成になっているかを確認します。

 

 

6. 「地域的多様性」とは、地域枠のことですか
いいえ。地域的多様性とは、都道府県ごとに枠を設けたり、地域ごとに必ず一定数を選ぶという意味ではありません。
ACAでは、地域を理由に品質到達や顕彰適格性を満たしていないチーズを選ぶことはありません。
また、同じ地域から複数の優れたチーズが選ばれることもあります。
地域的多様性とは、最終的な顕彰対象全体を見たときに、日本各地で育まれているチーズ製造文化の広がりが、一定程度表現されているかを確認する観点です。
つまり、地域的多様性は「地域別の選抜枠」ではなく、「顕彰対象全体を見たときの最終確認項目」です。

 

 

7. 小規模工房や一人で製造している工房が含まれるのはなぜですか
ACAでは、工房の規模、従業員数、流通量、知名度の大小をもって顕彰対象を判断していません。
一人で製造を行っている工房であっても、ICESに基づく品質到達を満たし、そのうえで製造文化、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性が認められる場合には、ACA顕彰対象となり得ます。
むしろ、小規模工房や一人で製造している工房には、製造者本人の判断、技術、感覚、熟成管理、原料乳との向き合い方、地域との関係性が直接的に表れやすい場合があります。
ACAは、大きな工房を選ぶ制度ではありません。
ACAは、日本のチーズ製造文化を象徴する工房とチーズを顕彰する制度です。
そのため、規模の大小にかかわらず、品質と文化的価値が明確であれば、顕彰対象に含まれます。

 

 

8. 大規模工房と小規模工房は同じ基準で見られているのですか
はい。同じ制度上の扱いを受けます。
ACAでは、大規模工房、小規模工房、新しい工房、歴史ある工房が、それぞれ同じ入口条件と同じ手続きのもとで確認されます。
大規模工房であっても、単に販売規模が大きいことだけで選ばれるわけではありません。
小規模工房であっても、規模が小さいことだけで優遇されるわけではありません。
いずれの場合も、品質到達を土台とし、製造文化、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性が確認されることが重要です。

9. なぜ15品から20品程度なのですか
ACA顕彰対象数をおおむね15品から20品程度としているのは、出品総数に対する機械的な比率ではありません。
また、得点上位何%という相対順位でもありません。
この数は、文化顕彰制度としての希少性、説明可能性、式典運営上の適正規模を保つための目安です。
顕彰対象が過度に多くなると、文化顕彰としての希少性や説明責任が弱くなります。
一方で、顕彰対象が少なすぎると、日本各地の地域性、製法、原料乳、熟成、工房文化の多様性を十分に表現できません。
そのため、年度ごとの出品状況、評価水準、カテゴリー構成、地域的多様性、式典運営上の適正規模を踏まえ、おおむね15品から20品程度を目安としています。

10. 14点以上であれば必ずACA顕彰対象になりますか
いいえ。14点以上は、ACA顕彰対象となるための入口条件です。
14点以上に到達したチーズは、JCQM(Japan Cheese Quality Mark)相当の品質水準に到達した候補母集団となります。
そのうえで、文化顕彰としての適格性、年度を象徴する価値、説明可能性を確認し、最終的なACA顕彰対象を選出します。
したがって、14点以上に到達したことは重要な品質到達の証明ですが、それだけで自動的にACA顕彰対象となるものではありません。

11. ACA顕彰対象とCHAMPIONの違いは何ですか
ACA顕彰対象は、その年度の日本チーズ製造文化を象徴する対象として選出されたチーズおよび工房です。
選ばれた顕彰対象は、いずれも日本のチーズ製造文化を社会に伝える価値を持つものとして、同じく尊重されます。
CHAMPIONは、そのACA顕彰対象の中から、さらにその年度の日本チーズ製造文化を最も象徴する1件として選出される最高位顕彰です。
CHAMPIONも、単なる最高得点品を意味するものではありません。
品質、製造文化、地域性、職人性、継続性、表現性、説明可能性、国際的発信力を総合的に備え、その年度を代表するものとして選出されます。

12. 知名度や過去の受賞歴は影響しますか
ACAでは、知名度、販売規模、過去の受賞歴のみをもって顕彰対象を判断することはありません。
もちろん、長年の継続的な取り組みや社会的評価が、その工房の製造文化を説明する要素となる場合はあります。
しかし、それは単なる知名度や実績の評価ではなく、製造文化、継続性、説明可能性の一部として確認されるものです。
新しい工房であっても、品質到達と文化的価値が明確であれば、顕彰対象となり得ます。

 

 

13. カテゴリーに偏りが出ないようにするとはどういう意味ですか
これは、カテゴリーごとに固定枠を設けるという意味ではありません。
たとえば、白カビ、青カビ、ウォッシュ、ハード、フレッシュなど、特定のカテゴリーだけで顕彰対象全体が構成されると、日本のチーズ製造文化の広がりを十分に伝えにくくなる場合があります。
そのため、最終確認の段階で、特定カテゴリーに過度な偏りがないかを確認します。
ただし、カテゴリーを理由に品質到達や文化的適格性を満たさないチーズを選ぶことはありません。
また、同一カテゴリーから複数の優れたチーズが選ばれることもあります。
カテゴリー構成は、あくまでも顕彰対象全体を見たときの説明可能性を確認するための観点です。

 

 

14. 「説明可能性」とは何ですか
説明可能性とは、なぜそのチーズがACA顕彰対象としてふさわしいのかを、工房様、消費者、行政機関、国内外の関係者に対して明確に説明できることを意味します。
ACAは、日本のチーズ製造文化を社会に伝える制度です。
そのため、選出理由が曖昧であったり、第三者に説明できなかったりする状態は望ましくありません。
説明可能性には、以下のような要素が含まれます。
•    品質到達の根拠
•    製造文化上の特徴
•    地域性
•    職人性
•    継続性
•    表現性
•    年度を象徴する理由
•    国内外に向けて伝えられる価値
ACAでは、選ばれた顕彰対象について、可能な限りこれらの観点から顕彰理由を整理し、説明できる状態を整えることを重視しています。

 

 

15. ACAは公平な制度ですか
ACAでは、すべての出品チーズを同一の入口条件と同一の手続きによって扱います。
まず、ICESに基づく絶対評価により品質水準への到達を確認します。
そのうえで、文化顕彰としての適格性を、あらかじめ定めた観点に基づいて確認します。
この流れにより、個人的な関係性、知名度、販売規模、過去の受賞歴に左右されない制度運用を目指しています。
また、最終確認においても、特定の工房、地域、カテゴリーに過度な偏りがないか、顕彰理由を文書として説明できるかを確認します。

16. ACA顕彰対象に選ばれた工房は、どのように受け止めればよいですか
ACA顕彰対象に選ばれた工房様は、その年度の日本チーズ製造文化を社会に伝える存在として顕彰されたものです。
これは、単なる商品表彰ではありません。
品質到達を土台に、製造文化、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性が認められた結果としての顕彰です。
工房様におかれましては、受賞表記や広報において、次のように表現していただくことができます。
ARTISAN CHEESE AWARDS|日本チーズ製造文化顕彰 受賞

また、一般消費者向けには、次のように説明できます。
品質評価を土台に、製造文化、職人性、地域性、継続性などが評価され、日本のチーズ製造文化を象徴する対象として顕彰されました。

 

 

17. 本制度の最も大切な考え方
ACAは、点数順位だけでチーズを並べる制度ではありません。
また、工房の規模、地域、知名度によって選ぶ制度でもありません。
ACAは、品質到達を土台に、日本各地で育まれているチーズ製造文化を社会に伝えるための顕彰制度です。
一つひとつのチーズの背景には、原料乳、土地、気候、工房、職人、家族、地域、技術、時間があります。
ACAは、その積み重ねを日本のチーズ製造文化として捉え、国内外に向けて発信するために設けられた制度です。

 

18. まとめ
ARTISAN CHEESE AWARDS|日本チーズ製造文化顕彰は、以下の考え方に基づいて運用されます。
1.    すべての出品チーズをICESに基づいて絶対評価します。
2.    一定の品質水準に到達したチーズを候補母集団とします。
3.    製造文化、職人性、地域性、継続性、表現性、説明可能性を確認します。
4.    最終的に、その年度の日本チーズ製造文化を象徴する対象として妥当かを確認します。
5.    顕彰対象数は、相対順位や機械的比率ではなく、文化顕彰制度としての適正規模を踏まえて決定します。
6.    小規模工房、一人で製造する工房、大規模工房のいずれも、同じ制度上の扱いを受けます。
7.    地域的多様性やカテゴリー構成は、選抜枠ではなく、顕彰対象全体の説明可能性を確認する観点です。
8.    CHAMPIONは、ACA顕彰対象の中から、その年度の日本チーズ製造文化を最も象徴する1件として選出されます。
ACAは、日本のチーズ製造文化を国内外に発信し、工房、職人、地域、酪農、製造技術、熟成文化の価値を社会に伝えるための文化顕彰制度として運用します。
以上

 

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